とりあえず日記

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生活の記録

今年読んだ本(2020)

なんか年末のふりかえりをしたい、と思ったけれど総まとめみたいな文章は書けそうになく、読んだ本の列挙ならできるかもしれんと思った。ここに挙げたもの以外にも買った本や手に取った本はたくさんあったけど、最後まで読んだということは、何かしらその時の自分にとってぴったりくるものがあったのだろうと思う。思い出した順番に並べていきます。
 
  • 香山晢『ベルリンうわの空』
『ベルリンうわの空』は漫画で、これはこれでいいのだけれど、個人的には香山氏の文章が好きだ。課金して読んでいる。
 
  • 梶谷いこ『THE LADY』
コロナ禍に突入する直前の1月、京都文フリに出向いて買った。著者が文中で「消費」から距離を取りたいと宣言した直後に、それでも消費によって手に入る可能性について書かれた一節に痺れてしまった。
新しいチークを買ってから、毎日お化粧が楽しいよ。(「20190814」より)
 最近出た『恥ずかしい料理』も、読みかけだけど良いです。
  • 野地洋介ほか『やさしくなりたい』
6月頃に体調を崩したこともあり、今年はセルフケアや健康について考えることの多い1年だった。ライターの生湯葉シホさんと野地さん(編集者で、このZINEの編著)がやっている「元気が足りないラジオ」で知った。
日々特段の不自由もなく生活をしていると、みんな同じような身体的条件を与えられていると錯覚してしまう。しかし、それは見えないだけ。本来身体とは一人ひとり異なるものだ。(「はじめに」より)
 

www.shinchosha.co.jp

これも上に書いたラジオで知った。いわゆる「生きづらさ」にまつわるテーマを扱うにあたり、精神医学と歴史学の立場を往復していたのがよかった。わからん用語もちょくちょく出てきたけれど、自分の身体や社会との関わりを考えるにあたってのインデックスや観点が増えた感じがする。
 
  • 岸政彦『ビニール傘』
はじめて岸先生の小説を読んだ。内容は正直よく覚えていないけど、小説をふだん読まない自分がするする読んだ。
 
  • ヤマザキOKコンピュータ『クソつまらない未来を変えるかもしれない投資の話』
「投資」というと、「不労所得で一攫千金」みたいな印象を持っていたし自分には無縁のものだと思っていた。けれどこの本はそういうのとはちょっと違っていて、もっと幅広く自分とお金・時間・社会との関係性を問い直すような内容だった。ちなみにこれを読んだのをきっかけにiDeCoを始めた。
 

 転職して電車通勤になり、穂村さんの文庫はちょうどいいお供だった。

 

books.bunshun.jp

 これも上に書いた「元気が足りないラジオ」で知った。これはなんというか、このラジオと書き下ろしの「あとがき」込みですごく良かった。文庫化前に読んでいたらここまで没入しなかったかもしれない。「血の通った関係性と没頭」という言葉は個人的流行語大賞2020です。
3カ国に行って感じた、サル山と資本主義の格差と分断から自由になれる隠しコマンド。俺にとってそれは"血の通った関係性と没頭"だった。(あとがき コロナ後の東京 より)
 あとこれをきっかけにオードリーのTVとかラジオを観たり聞いたりするようになった。
 
  • 山下光陽『バイトやめる学校』
  • 山下光陽・ワカクサソウヘイ『ふざけながらバイトやめる学港』
確か読んだのが6月とか8月とかで、当時は読みながら熱心にメモを取ったりしていたのだが、いま・12月時点の自分にはあんまりはまらんな、ここまで振り切れんな…という感じもする。でも「いざとなったらこういう発想でサバイブすればいい」という感覚がお守りみたいに残っている感じ。
 

www.heibonsha.co.jp

とにかく面白かった。結婚ってなんなんでしょうね。Amazonで紙の本注文したつもりが電子書籍になっていて、当時はあちゃ〜と思ったけど電子書籍でちょうど良かったかもしれない。

 

https://www.shobunsha.co.jp/?p=5677

くそう。最後にリンクがうまく貼れない。今年、よく行っていた銭湯で「秋のZINE祭」が開かれていたので、日記をまとめたZINEを初めて作った。この本が良かったのは、ZINEって形式とか自由なんやな〜と思えたところ。

ここには載せていない積ん読の本も含めても、お金、労働、健康、表現、みたいな切り口の本が多かったなと思う。あとは坂口恭平の異様なペースで更新されるnoteをよく読んでいた。「躁鬱大学」はすごかったし本当に救われた。

note.com

それから図書館で銭湯や公衆浴場の歴史を調べたりした。タイトルを忘れてしまったのだが、参与観察の手法で銭湯の常連客の行動パターンを精緻に分析した修士論文とかが出てきて圧巻だった。

* * *

長くなりました。外はさっきまで雪が降っていたけど止んだところ。今年は実家にも帰らず忘年会にもカウントダウンイベントにも行かないので、よく考えたら部屋でひとり過ごす年末年始というのは初めてではなかろうか。なので昨日餅とかを買ってきた。このあと午後から風呂に行って、あとは部屋でぬくぬくと過ごす予定。