11月4日(金)
昨日は近所で開かれた音楽イベントに行ってきた。歩いて行けるし、chelmicoのラップは元気が出るし、おとぼけビ〜バ〜の演奏は圧倒的で楽しかったのだが、やっぱり若い人が多くてもうちょっと自分にとってちょうどよい祭りはないものか、みたいなことを思う。フジロックは商業ど真ん中だし、祇園祭は地の人間以外にとっては参加するというより「見るもの」だし、近所の夏祭り的なものに至っては開かれているかもよく知らない。商業的な音楽フェスや観光行事としての祭りよりは日常に近く、地元の夏祭りよりは間口の広い祭り。地域の盆踊りでハウスを流したりしている岸野雄一さんはDJ行為を個人の音楽的なパフォーマンスとしてだけでなく公共空間の場作りの大切な要素と捉えて実践している感じがあり、岸野さんの携わる祭りに行ってみたいと思いつつそれは総じて東京なのである。
やっぱり、おじいちゃんやおばあちゃんが来て「今年から若者たちが変なこと始めたわね」みたいになるのが一番嫌だったんですね。普通の盆踊りをやっている中に新しいことをちょっとでも入れられさえすれば僕は満足だったので。
で、その1時間の中に友達の DJ ムードマンの、普通のハウスとかをかける DJ を入れたんですね。そしたら、ハウスの曲にあわせて、さっき覚えた「日本橋美人音頭」の振り付けでみんな踊り出したんですよ。
関西ではそういうこと考えたり実践したりしている人はおらんのだろうか。
11月5日(土)
このあいだ本棚の整理をしたら手放してもいいかなと思える本が大量に発生して、ブックオフで二束三文で処理されるのも悲しいしメルカリは面倒だし、せっかくならフリマ的なところに出したいなと思うが個人で参加するにはハードルが高く、調べてみると「一箱古本市」というのがどうやらあるようで、しかし今の時期に近くでは開かれておらず、開催情報を待つことにした。利益を上げたいわけではないので、軒下の「ご自由にお持ち帰りください」でもいいのだけどマンション住まいではちょっと無理があり、どうせなら対面で売り買いするみたいなのもやってみたい気持ちがある。それでも残った本は手元に残すなりブックオフなりメルカリで売ればよい。
11月8日(火)
午前中に自宅を出て、明石を経由して淡路島へ行った。
古い銭湯を目当てに岩屋という町を散策したのだが、入り組んだ坂道の路地があり、少し進むと海が見えたりして塩屋や尾道みたいな風情がありとてもよかった。
甘いものでも…と立ち寄った喫茶店のメニュー写真を見て「これ食べたい」と思ったが商品名がわからず、店員さんに「これはクリームあんみつですか?」と聞いたら「ええと…どうでしょう…あんみつ…かな?え?あんみつ?すいません…」「あ、いえ、ぜんぜん大丈夫ですよ」とおたがい半笑いでやりとりする時間があり可笑しかった。注文すると「(氷が入っているので)大丈夫ですか、寒くないですか」と聞かれ、コーヒーは食事と一緒に伝えると「一緒だとコーヒー冷めちゃうかもしれませんよ」と気遣ってくれて、なんだか人生で初めて喫茶店に来た人みたいになってしまった。体はめっちゃ冷えた。
行きのフェリーで撮った写真をInstagramに投稿したら大学時代の友人から連絡が来て淡路島に住んでいることがわかり、合流してお茶することになった。この春から仕事をやめて大学院に通っているらしく、最近やや人生に行き詰まりを感じていたがいろんな選択肢があるもんだなあと思う。彼が最近、共通の知人のTwitterの裏アカをチェックしているという下世話なゴシップでひとしきり盛り上がった。港区タワマン住まい・既婚者子持ちサラリーマンの悲喜こもごもが赤裸々に語られているらしい。どこで何をしていても、人生はそれぞれ、それなりに大変なのだなと思う。ひととおり話したあと、最近淡路島に進出して話題になった人材派遣会社グループの無料巡回バスに乗って高速バス乗り場へ。途中、山の中に忽然と現れた結婚式場のような施設に会社名がきらびやかにライトアップされていた。資本の進出を感じる。
神戸の三ノ宮に向かう高速バスの中で夕食の候補を検索するがピンとくる店がなく、こうなるともう旅は終わりなので立ち食いそばでも食って帰るのが吉と思ったのだが、降車して月食を見るために空の見える場所を探してうろうろしていたら改装してすっかり様変わりしたパイ山*1を見つけ、そのまま通りを抜けると高架下の雰囲気も変わっていて、小洒落た飲み屋が軒を連ねていてなんだか浮足立ってしまった。テラスにコタツ席の出ているバルがあり、今まさにコタツ席に合流せんとするOLふうの女性が「出来上がってるね〜!」と自撮りしている。駅の北側も、むかしは車道だったところが実質的には歩行者天国になっており、こちらも小綺麗になっていた。以前よく訪れた駅前のマクドはとっくになくなっている。
結局、「餃子しかありません!」と店先に出ていた餃子屋に入った。「小瓶」の読み方に自信がなくて「瓶ビール小さいほうで」「小瓶(しょうびん)ですね」というやりとりをした。一人旅は寂しいけれど自由で、自由だけれど寂しい、ということをメモして帰った。
*1:神戸・三ノ宮にある広場