6月2日
ふたまわりも歳の離れた人が、日常動作からシームレスに自撮りを披露するのを見た。あまりにナチュラルで、てらいがなく、鮮やかだった。「自分をよく見せる」ということに対する照れが感じられない。
6月18日
烏丸御池付近の交差点を渡る、制服姿の修学旅行生。それを引率する、若手の男性教員。生徒のほうを振り返りながら「てかぶっちゃけ、八坂行って、お土産変えればいいっしょ、結論」という。この言語感覚で授業しているのだろうか。大丈夫なのか。
6月19日
YoutubeでTBSの報道1930を観ている。この日は「テック右派」特集。ピーター・ティール、カーティス・ヤーヴィン、イーロン・マスク……数々のテクノロジー企業を代表する人物の政治的思想の傾向。政治的な左右対立の少し違う位相に、こうした「テクノリバタリアン」と呼ばれる人たちがいる。少しずつ、政治思想のマッピングが理解できるようになってきた。2年ほど前に自分が知りたかったことはこういうことだったのだなと後追いでわかってきた。
6月21日
長野県諏訪市の古びた定食屋で昼食をとった。さびれた細い路地の奥にある肉料理の店。隣に、高級そうなスーツを身に着けた実業家ふうの男と、関係性の不明な女性が座っている。店内のテレビには国会のようすがニュースで流れており、高市早苗陣営による誹謗中傷動画について野党が追求する場面が流れていた。スーツは「まだ言ってんのかよ、こいつらほんとにいらねえよなあ」とこぼし、女は「いらな~い」と気だるそうに答えていた。注文した牛丼は、つゆの味が濃かった。
6月25日
2年ほど前に放映されていたTBSドラマ『海に眠るダイヤモンド』を観終えた。
かつて長崎県に存在した炭鉱の島「端島」(通称「軍艦島」)を舞台にした物語だ。視聴者を引き込むストーリーテリング、魅力的な俳優陣、一人ひとりの人物の描きかた、どれをとっても素晴らしかった。
これは、いづみさん(宮本信子)だけでなく玲央(神木隆之介)の回復の物語だ。端島で鉄平(神木隆之介)が担っていた外勤というケアの仕事。その痕跡が、残された日記によって現代に生きる人々に共有され、受け継がれてゆく。
人物が丁寧に描かれているドラマや映画は、視聴が終わっても登場人物たちがまだ世界のどこかにいるような感覚になる。今頃彼はどうしているだろうと、古い友人を思い出すような。
6月27日
「おおきに、お気をつけて」「よかった雨降ってないね」「そうですね、もう大丈夫そうですね」「よかったわありがとう」「ありがとうございましたお気をつけて〜」
いつも同じ時間に来るお客さんと、先週と同じ挨拶を交わし、天候により少しだけ違った世間話を交わす。差異と反復、とわかったような言葉の使い方をしてみる。適切なのかどうかはわからない。

