9月30日(月)
千葉雅也『勉強の哲学』を読み直している。最初に読んだのがたしか今年の4月くらい。あれから5ヶ月くらい経ち、当時関心のあった事柄を書き出してある程度それに沿って本を読んだりしてきたが、もう一回立ち戻って整理する必要があるように感じている。惜しみなく線を引いて書き込んで読み、メモを作成していくと一巡目のときよりも頭に入ってくる感覚がある。
並行して、途中で止まっていたこれも千葉雅也『動きすぎてはいけない』を開くと、つまづきながらもなんとなく進むことができる。千葉雅也はここに書かれていることを解体・再編成して『勉強の哲学』に結実させているというか、『動きすぎてはいけない』に出てくる馴染のない言葉・概念に出会ったとき『勉強の哲学』でいうあれか、という対応関係の接続が頭の中でできるとなんとか進んでいけるという感じがする。
夜、源湯にゆき久しぶりに湯に浸かり、その足で「間借り喫茶Y」へ。源湯のお客さんたちが集まっていてとてもいい雰囲気だった。珈琲も美味しかった。9月が終わる。通信制限から解放される。
10月1日(火)
引き続き『勉強の哲学』の演習をすすめる。夜、大阪に向かいたかったが作業のきりが悪く、気力も足りず行くのをあきらめた。
10月2日(水)
水曜日は映画が安い。アップリンクで『香港 裏切られた約束』を観た。2019年に香港で起こった大規模な民主化運動の様子を収めたドキュメンタリーだ。監督は香港で育ち、逮捕を逃れるためにイギリスに亡命して映画を完成させた。私は最近まで、香港で起きていることをほとんど認識していなかった。2019年当時、ちょうど私生活にも大きな変化があり、ニュースもあまり見ていなかった。だから映像に映し出される数百万の市民、それを鎮圧しようとする香港の武装警察の様子に衝撃を受けた。警察はゴム弾と放水銃、催涙ガスで容赦なく市民を攻撃する。「公の場で自由にものが言える」ということは、所与のことではないのだ。
今年7月、鳥取の書店『汽水空港』で偶然、雑誌『HAPAX 12号 香港、ファシズム』を手に取り購入した。旅先の書店では偶然の出会いに任せて気になった本は購入するようにしている。だから購入した直後、こんな(難しそうな)もの読めるんだろうかと思っていたが、今になって棚から出してぱらぱらと読んでいる。積極的な積読を続けているとこういうことが起こる。