とりあえず日記

とりあえず日記

生活の記録

2023年5月21日(日)

東横インは安心感がある」と言ったが実際には初めて泊まるのだった。室内に宗教や自己啓発分野の書籍が並んでいて一瞬ひるむ。テレビをつけるとG7だ。警備のために都内のコインロッカーを一部封鎖しているらしい。昨日、駅のゴミ箱が使えなかったのはこのせいか。

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乗り込んだ電車は十条駅で止まる。下町感のある素敵な町だ。線路と家屋が近い。白い杖の女性をマクドの店員が駅前までガイドしている。商店街をぬけ、ゆとなみ社系列の十條湯へ。奥に浴槽が並び、お湯に浸かる人たちの視線の先で身体を洗う。映画とかでよく見る画角だ。タイル絵は岡本太郎みたいで景気が良い。サウナはTomorrow never knows空も飛べるはずが流れて90年代だ。

上がり、プリンを食べんと隣接する喫茶深海に繰り出したが頃合いはモーニング。食事メニューが限られていてフロートを頼んだ。そわそわ座っていたらカウンターで隣り合わせたお客さんと少し話して和む。週に数回来ているらしい。ありがとうございますまた来てくださいね、いや私がいうのも変ですけど。

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モノレールは水上をガタガタ揺れながら浜松町を出る。文フリには結局行くことにした。到着するとすごい人で、会場内は空気が薄くて暑い。ときおり壁ぞいに避難し、せっかく来たんやし金に糸目をつけている場合でなはないvs.予算と体力には限りがあるのでむやみに購入しても持て余してしまう、の攻防を何度もやった。『大阪の生活史』編集の柴山さんがブースを出しておられ、ご挨拶した。名前を聞かれて名乗ると「存じています」。聞き手150人のなかの、たった1人への気遣いがあたたかい。

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帰りのモノレールは座席が窓を向いており、カモメが車両と並走する。京都の叡山電鉄から紅葉を見るように、浜松町ゆきの窓から街を眺める。1フロアまるまる自転車置き場のタワマン、ビルの合間のスケボーパーク。あれが噂の芝浦公園。乗り換えて恵比寿で降りると、小学生くらいの女子が気だるい表情で歩きスマホをしている。都会だ。彼女と合流して昼食をとり、いくつかの店を巡ったあと下北沢へ。駅のホームで出口を確認するために一瞬立ち止まると、うしろの女子たちが「歩くの下手か」と言った。怖い。下手ですまんね。

目的地のボーナストラックに到着して少し休憩。スピッツ新譜の販促イベントが開かれているようだ。随所がジャケットの黄色に彩られて、ファンがたくさんいる。敷地内をふらふらしていると、大学時代の友人にばったり会った。似ている人かも、違うかもと逡巡していたら懐かしい笑顔を向けてくれた。彼は奈良から、こちらは京都から。

またねと挨拶したあと、日記屋 月日へ。店内には日記にまつわる幅広い本が連なっている。一冊購入して店を出たあと、レジで先日のイベントの感想を伝え損ねたことが気にかかり、戻ってスタッフの方に声をかけて伝えた。

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店をあとにし、はじめてのLOOP移動。キックボードに乗るぞと意気込んだが電動自転車しかなかった。ぐんぐん進んで坂道が楽だ。途中、モスクを通りかかった。閉館時間だったので見学はあきらめて売店に寄る。チップスなどを買い込んだあと外に出て、建物がたいへんにカッコいい。眺めていると関係者らしき方が見学できますよという。でももう閉館ですよね、またきますと答えた。圧倒的な外国感。

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代々木上原に着き、駅前を歩く。喫茶店、服屋、喫茶店、マンション、花屋、マンションがひしめいている。個人商店の密度が高く、生活との距離が近い。目的の按田餃子に入り、飲み物を注文し、すんでのところであまりに時間がないことに気づきテイクアウトにしてもらった。一杯だけ飲んでお会計。

綱渡りのような乗り換え・ロッカー荷物回収・乗り換えをやりとげて東京駅に着くと、原子力汚染水の海洋放出をポジティブに捉えるよう促す広告が。流していいはずなかろうと思いながら出発時間は迫っている。わずかな時間でビールなどを調達し、我々を待っているのは人生初のグリーン車である。ただし車両はこだま。フットレスト付きの広々した座席に3時間半揺られて帰宅した。

猫は見なかった。

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