とりあえず日記

とりあえず日記

生活の記録

5月12日(日)〜13日(月)

5月12日(日)

自転車に乗って京都市京セラ美術館に改装してから初めて来た。もう改装から何年も経っているというのに。目当ての展示にたどり着くまでにエントランスホール正面に掲げられた村上龍のイラストレーションに出迎えられて落ち着かない気持ちになり、開場とほぼ同時に入場した。川内倫子Cui Cui+as it is』、潮田登久子『冷蔵庫+マイハズバンド』。とてもよかった。写真の写真をバシャバシャ取る人がけっこういて、きわめつけは一直線に展示された写真を一枚ずつカニ歩きの要領で移動しながら一眼レフでおさめる若い女性で、存在も音もノイズだなと思ってわざわざ順路を戻ってタイミングをずらしたりしたのだが、さすがに係員に注意されたらしい。写真を見ながら祖父の葬式のことなどを思い出していた。

展示を見終わり、岡崎公園で行われていたアースデイをちらっとのぞいてインドカレー屋に来た。ナン、カレー1種、サラダ、タンドリーチキン、小ライス、ドリンクのセットで1200円くらい。で、ナンを半分くらい食べたところでお腹がいっぱいになってしまった。いつもそうだ。インドカレー屋に来て、メニューが目に入ると自動的にセットを頼む頭になっていて、ナンが運ばれてきたときは「おっきーい」と喜ぶのだけれど食事の後半にはこんなに量いらんかったな……という気持ちになる。単品で頼んだほうがよかったのでは、とメニューを見るとカレーだけで1,000円とかするので、妻と「2人で来るときはナンは1つでいい」ということになったが次の機会にはもう忘れているのだろう。後ろの席で、セットにはないターメリックライス単品とカレーを頼んでいる子どもがいて、「通」な風格だった。帰りがけ、和菓子屋に寄って贈答用の品物を買うなどして疲れ果てて帰宅。

この日図書館で借りてきたダニエル・ソカッチ『イスラエル 人類史上最もやっかいな問題』を読む。なんで人間は領土拡大をこうもしたがるのか、人間が住んでいる土地を、国家権力が管理することそのものがおかしいのではないか。

5月13日(月)

起床、朝食、掃除、ラジオ体操、ヨガ、植物園の散歩。これだけ毎日散歩に行っているのだし、録音機を買ってレコーディングした音を作業用に自宅で流せばよいのでは、と思う。

太田明日香『書くことについてのノート』を読む。個人で出版レーベルを立ち上げ、フリーの編集者として働きながら文筆活動を行う著者の、文字通り「書くこと」について書かれた本。個人制作のZINEが商業出版につながったがその後の仕事にはつながらず、次々と商業出版や文筆で仕事をしていく知人に抱いていた嫉妬心と、それを乗り越える過程が書かれている。自分は太田さんのような経験はしていないけれど、一体なんのために書いているのだろう、と思うことや、自分の書いた文章で対価を得ている知人をうらやましく思ったことはあり、身に覚えがある、と思いながら読んだ。しかしとにかく今は自分のために、けれど自分のためだけでなくもう少し開いた形で、書くことを「活動」として続けていきたいと思っている。

ハンナ・アーレントが『人間の条件』で「仕事」と「活動」と「労働」をそれぞれ分けて分析していました。時間と引き換えにお金をもらう「労働」、かけた時間の分何かができあがる「仕事」、お金とは関係ないけれど人間が生きるために必要な「活動」。活動するから人間足りうるのだと言っていました。(本書p.43)

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