鳥取に旅行に行ったことを書こうとしたけれど、なんというかうまく書くことができない。うまくというか、書こうとするそばから何か行程や旅程をなぞるような書き方しかできず、自分自身がつまらなくなってしまう。紙の切符を久々に買ったとか駅舎が木造で郷愁を誘ったとか、そいういうことは書けるがなんとなくつまらなく、車窓から外を眺めているとああここは自分の場所ではなく他人の場所で、だから自分の場所というのが照らし返される形で自覚されるのだな、みたなことも思うがこれもどこかで誰かが書いていたようなことのような気もする。
駅を降りてゲストハウスのチェックインまでは少し時間があり、湖沿いでも歩くかなと思ったけれどあまりにも暑く、いわゆるレトロな喫茶店がありそこがちょうど閉店時間とゲストハウスのチェックイン時間が同じでそこに入ることにし、キューピットという飲み物を頼むことにした。カルピスとコーラのブレンド、コカコーラは飲まないようにしていたがそこまで頭はまわらず、混ぜて飲んでくださいね、残ったコーラはおすきなように、と言われてそのとおりにした。トレイまでコカコーラ仕様で、客はほとんど地元の人たちという感じで代金はとても安かった。
MさんとTちゃんに車で拾ってもらって滝を見て海を見た。滝は涼しく海は圧倒的、海は近づくほどに松林が目に入り、敦賀とか岩手もそうだったということを思い出して林を抜けると波の音がして、小学生くらいの男子が集まって砂浜でサッカーらしきスポーツに興じていてそのうちの何人かはパンツ一丁で、といっても靴下だけは履いていて、その騒がしい間を抜けて波打ち際までいくと波で砂が削られている。
