とりあえず日記

とりあえず日記

生活の記録

5月29日(水)〜31日(金)

5月29日(水)

朝、気分が重いが落ち着け、と自分に言い聞かせて朝食、体操、ヨガ、散歩。カフェpear pressに行くと本棚コーナーに平置きしてある一冊があり、レイチェル・カーソン著・森田真生訳『センス・オブ・ワンダー』。手に取って席について、まず装丁がとても綺麗で、絵は西村ツチカさんだ。

子どもの世界は瑞々しく、いつも新鮮で、美しく驚きと興奮に満ちています。あのまっすぐな眼差しと、美しくて畏怖すべきものをとらえる直観が、大人になるまでにかすみ、ときに失われてしまうことさえあるのは、とても残念なことです。子どもたちの生を祝福する優しい妖精に、なにか願いごとができるなら、私は世界中のすべての子どもたちに、一生消えないほどたしかな「センス・オブ・ワンダー(驚きと不思議に開かれた感受性)」を授けてほしいと思います。(p.21)

とってもよかった。森田真生さんが京都在住の材や研究者というのも興味ぶかく、森田さんの文章には京都の高野川で子どもと遊ぶエピソードが書かれている。北山エリアの開発問題とか、あるいは北陸新幹線による地下水をはじめとする環境への影響とか、この新訳『センス・オブ・ワンダー』を切り口に森田さんを交えて考える会なんかがあるといい、とメモする。

夜、妻に体調を心配されて人間ドックを受けることしにして調べ始めたが検査項目がたくさんありすぎて何がなんだかわからない。

5月30日(木)

身体が重くやる気が起こらない。数日前まで気合いを入れて作業したりしていた反動なのだろう。午前中、仮眠をとったりしながら身体を休め、午後は風呂に浸かって気分がよくなったので図書館に本を返しにゆき、その足で古書店恵文社に寄って帰宅。
頭の働きがゆっくりなのでゆっくりしたものが読みたい、と青木海青子『不完全な司書』をひらく。

”共に窓辺に立つ、つまり共に読むという行為は、一緒になって考え、社会を構築していく呼び水にさえなり得るのではないでしょうか。誰かが「今ここ」をやり過ごしたいと思った時、息が深く吸えるような窓辺に誘う。深呼吸したら、今度は遠くを見ながら一緒に考え、話す。そのこと一つひとつが少しずつ、少しでも社会に働きかけていく。(p.35)”

とてもいい、こういうことができたらいいと思いながら読んでいる。

5月31日(金)

よく眠った。たぶん9時間半くらい眠った。しかし身体が重いということはおそらく気圧のせい、ということにしてヨガをして汗をかいてシャワーを浴び、散歩は休んだ。午前中はストレッチするなどして身体を緩ませることに専念する。

昼、パンを買いに出かけて食べ、少し寝たあと喫茶花辺にゆく。雨は朝だけかと思っていたが案外ずっと降り続けるものだ。農業塾に通い始めてから、道すがら目に入る畑をよく見るようになった。支柱は角材使ってるんやなとか、あれは茄子、あれはトマトっぽい、剪定はまだこれからなんやろうか、あれは見たことない野菜、あれはシソ、あれはきゅうり、ずいぶんツルがネットの上まで伸びているな、など。ときおり、農業塾に通わずしてさっさと貸し農園で自分で始めてしまったほうがよかったのではと思うこともないではないが、有機農業は一度に多品目を植える(少量多品目栽培というらしい)ので、たくさんの野菜の成長を同時に見られている、というのがいい。少しずつ畑を見る目が変わってきている。

花辺では作家のひろせべにさんの作品展「うわさの光」が行われており、いつもとレイアウトが変わっていた。ひろせさんご本人がおられ、特にお話しなかったが一目でご本人とわかる。まるで絵の中から飛び出してきたかのような佇まいと雰囲気。

チャイを頼んで、『SPEECTOTRvol.50 文化戦争」をひらく。アメリカにおける保守・リベラルとは何か、といったことがマンガを交えてとてもわかりやすく書かれている。トランプが出てきた背景や、PC(ポリティカル・コレクトネス)が発生した文脈についても触れられていてなるほどと思いながら読む。細かな議論に入り込むと難しい話も多いが、政治のパワーバランスというのは反動の歴史でもあるのだな、みたいなことを思う。

いずれにしても白人男性至上主義のもつ力が世の中にかなりの影響力を持っているということは言えそうで、それは日本の状況とかひいてはアメリカのイスラエル支援にもつながる話だ。たぶん。けれどややこしいのは日本の「保守・リベラル」の構図とはちょっと様相が違うということで、そのあたりは別ルートを辿る必要がありそう。疲れた。

夜、『新・もういちど読む山川世界史』を読んでいると、妻と「そもそも国ってなんなんだろうね」みたいな話になる。より多くの資本を求めた領土拡大、奴隷制、そういうことを私たち個人がいきなり始めよう、ということにはならんよね、という話で、途中で読むのが留まっていた松村圭一郎『くらしのアナキズム』をひらき、数ページ読んで寝る。

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