前日、汽水空港に行ってここぞとばかりに本をたくさんレジに持っていって店主のモリさんから「なんか思想系のハードコアなやつが多いですね」と言われてちょっと恐縮してしまって、なんか最近は古典を読まねばみたいなモードになっていたので結果的にそういうラインナップになったわけだけど、恐縮するということはなんらかの引け目、考えばっかりこねくり回してないで手を動かせ手を、みたいな強迫観念が自分のなかにあることの証拠で、その日の夜にMさんとTちゃんの家にお呼ばれしてカレーパーティー、これはMさんが突然昨日思いついたもので自宅で本格カレーを作って振る舞ってくれるというもので、思っていたよりも本気の南インドカレーが出てきて驚いたのだが、カレーはとても美味しくて、話の中で「フィジカルなことをやっていきたいですよね」というのが出て、そのとおり本当にそうなんだよなと思っていたことともつながっている。
人文・思想書ばかり読んで頭ばかり使って言語・思考偏重になってはいかんというのは数ヶ月前から思っていて、けれどどこかでやっぱり思考を補強したいという感じもずっと根底にあり、そういう感じのままモーニングを食べに入った喫茶店で前日に古本で買ったジル・ドゥルーズ『記号と事件』をぱらぱらと開いて、また読めもしないのに難しい本を買ってしまった、と思っていたのだけれどぱらぱらとめくる中でいくつか目を引く文章があって、飛び石を渡るように一文、一文と気になるところを行ったり気たりして目に入れていくとこれは読める気がする、という気になっていくつかの文章のまとまりごとに拾い読みをしていくことになった。
ジグシアターという最近できたミニシアターに行った、そこで見た映画、建物から出た時に見た湖の景色、汗を流すために入った温泉を出てすぐ汗をかいてもう一着着替えを持ってきたらよかったとか、せっかく鳥取に来たのだし砂丘でも見ていくかとバスで向かって最初の数分こそスケールのデカさに感動していたわけだけどやっぱり一人でここにいても持て余すなと思い30分くらいで帰った。
