とりあえず日記

とりあえず日記

生活の記録

9月23日(月)〜26日(木)

9月23日(月)

友人から連絡がきて、急遽誠光社に行くことになった。この数日で一気に涼しくなったが、日中は日差しを浴びると日光の熱を感じる。ひとむかし前の真夏がこれくらいの暑さだったんではないかと思う。友人と合流して微風台南で昼食をとり、誠光社のギャラリーで開かれていた「ごんし人形」の展示を見る。映画の登場人物をモチーフにした人形がたくさん飾られており、答え合わせをするのが楽しかった。タラブックスの新刊も置いており、やはりモノとして美しい。ひととおり棚を徘徊して、今月の書籍予算はとうに越えているというのに蟹の親子『にき 増補版』を購入した。昨今「日記ブーム」と呼ばれる動きがあることについて、蟹の親子さんがどう考えているか読んでみたかったのだ。

9月24日(火)

父親が来室。先日貸してくれた電子ピアノの台に合う棚を運んできてくれた。こちらとしては棚をリクエストした覚えはないのだが、父がある日急に棚を買ってきてうちに持っていこうとせんばかりの勢いだったのを母が止めて、まずうちの意向を聞くべきと諭してくれたようだ。父には本当にこういうところがある。

妻との話し合いの結果、ありがたくもらうことにし、その搬入が今日だった。棚は案外ちょうどいいスペースに収まった。その流れで調子の悪いテレビのことやDIY関連の相談をいろいろと父にして、健康状態のことなどを聞いた。こうして多少のおせっかいに困惑しながらも結局お願いする、みたいなことも、父にその元気があるからできることなのだと、テレビアンテナの先をニッパーの代わりに爪切りでカットして修繕する父の姿を見ながら思う。

夜、我が家に誕生したピアノ演奏スペースに陣取って、この半年間観続けてきたNHK朝ドラ『虎に翼』の主題歌・米津玄師『さよーならまたいつか!』の演奏指南の動画をYouTubeで探す。画面上部からドレミの書かれた長方形が画面下部のキーボード部分に落ちてくる動画を見ながら、「ビーマニやな」と言いながら鍵盤を叩く。

9月25日(水)

午前、鴨川デルタへ自転車で向かう。友人のSさんとLちゃんが先日結婚し、前撮りをここでやっているというのだ。2人とも衣装が似合っていて素敵だった。Sさんは「たまにこのへんで前撮りやってるの見かけるけど、まさか自分がやることになるとは」と言っていた。カメラマンの方も気さくな感じで、会ってものの数分で私の名前も覚えてくれたようだった。人の名前を覚えるのが苦手な自分は絶対にできない。自分なら、おそらく目の前の顧客の名前を覚えて撮影するので精一杯だ。ふらりとやってきた見物人の友人の名前をその場で覚え、会話の流れでさらっと呼ぶ、みたいなことができるのは本当にすごいと思う。

9月26日(木)

出町座で濱口竜介監督『親密さ』を観た。いい映画だった。『ハッピーアワー』を観たときもそうだったのだが、濱口監督の長編(というか、4時間以上ある作品)は「映画を観た」というよりも、あたらしく人と出会う体験に近いような感覚がある。作品を観終わって劇場を出たあと、劇中の世界と今歩いている世界との境界が曖昧になる。劇中の登場人物が、現実のこの世界の、離れた場所でいまも生活を続けているように感じられる。昔親しかった友人のことを、あの人今どうしているかなと思い出すような。濱口監督作品には時折コミュニケーションに関するワークショップの場面が登場するが、『親密さ』はインタビューセッションだった。以前やっていた仕事柄、そうした疑似的に設定したコミュニケーション空間で起こる出来事に注意を引かれる。対峙している人同士の緊張・こわばり、それがなにかの拍子にふっとほどける瞬間、その表情。最近出た濱口監督の映画論上下巻2冊、高いがやはり読むべきなのかもしれない。

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