とりあえず日記

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生活の記録

2023年2月23日

2月23日

映画『湯道』を観た。

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感想を後で書きたいと思ってメモにまとめたり下書きに残したりしていたのだけど、鑑賞からけっこう時間が経ってフレッシュさが失われてしまった。今ふりかえっても、とにかくわかりやすい映画だったと思う。銭湯にまつわるハートウォーミングなエピソードをたくさん並べてみました、というような。

登場人物の人間的な側面をもっと見たかったなと思う。住み込みバイトのいずみが仕事で行き詰まったときに銭湯で救われたエピソードとか、数分間の説明的な台詞で済まされてしまったし…。それは別に他の人物でもよく、銭湯をマンションに建て替えようとした建築家の長男が心変わりした瞬間とか、黙々と湯を沸かす次男の背景とか。常連客を含め、一人ひとりに与えられた設定そのものはドラマチックな一方でどこか記号的で、生きている一人の人間という感じがあまりしなかった。

そんな中、いずみが毎日花を換え、小銭をセットし、扇風機をつけ、暖簾をかける一連の所作が何度も描かれるところは好きだった。そうした淡々とした営みにああいう場所が支えられているよね…と思いながら見ていたら、それすらも物語の後半でいずみの不在を知らせる伏線として利用されている感じがしてすこし残念だった。

とはいえこれは演出のしかたと主題の相性の問題が大きいように思う。『湯道』の監督は『HERO』の演出を手掛けた方のようで、役者の正面アップがやたら多かったのもなるほどな〜と思った。あのアングルはキムタクの見得を切る感じとはめちゃくちゃ相性がいい。『HERO』はコミカルな登場人物がバディで事件を解決していく…!という感じが痛快で、それこそわかりやすくて好きだった。自分は銭湯のもうちょっと余白というかあわいというか、そういう部分が好きなんだよなあということもよくわかったし、そういう要素を感じられる映画を今度は観てみたいなと思ったのでした。

追記

ところでサウナでスマホ持って普通に通話する客はマナーに反するし、厚切りジェイソンが(彼がそういう芸風とはいえ)、日本の入浴文化に疎いカタコトの外国人として明らかに前時代的な道化を演じさせられているのはちょっと問題かなとは思いました。あといくら常連客同士でもあんなに全員同時に風呂に入ったり上がったりしないよね(するのか?)。それからあのクリス・ハート天童よしみのシーンはなんやったんや…あ、でも脱衣所の入浴料掲示は京都のやつそのものだったねとか、それらもひっくるめて感想戦に熱が入る映画でした。