とりあえず日記

とりあえず日記

生活の記録

1月8日(月)

阪急に乗り、むかし通っていた小学校へと向かう。交差点で母と弟と待ち合わせて「旧校舎お別れ会」と書かれた案内板に沿って進むと新しい正門が見えてきた。正面に見慣れた古い校舎、右手に見慣れない真新しい校舎。敷地内に入ると、偶然昔の同級生グループと遭遇した。全員10年くらい会っていなかったかもしれない。子どもを何人も連れていたり白髪になっていたり恰幅がよくなっていたりした。見学時間が限られているので近況報告もそこそこに校舎の中へ。

受付で案内図をもらい、あちこち見てまわる。窓から中庭を見ると処分される予定の机や椅子が固められていて、ここがもう役目を終えたことを物語っている。掃き出し窓の珍しい鍵の形、1箇所だけ改装されて人気だった洋式トイレ、体重をかけて上げ下げするタイプの黒板。どれも懐かしく、ここで見なければ忘れていたものばかりだ。けれど、きっと同級生と一緒だったら当時の思い出がより具体的に蘇ったりもしたのだろう。正門で会った彼らが少し羨ましかった。思い出には相補性があるような気がする。自分だけの記憶の引き出しなど、たかが知れている。

途中、すれ違った若い女の子2人が声を合わせて校歌を口ずさんでいた。やんちゃそうな男子たちが「やっば」「懐かし」と言いながら教室の写真を撮り、子連れの女性が「お母さん忙しいの!」と嬉しそうに写真を撮ってもらっている。年代も風貌もばらばらの人たちが、みな同じように穏やかで嬉しそうな表情で建物をまわり写真を撮っているのに混じって、母に弟とのツーショットを撮ってもらった。出口のほうに行くと入れ違いで男女4人くらいの若い集団がやってきた。係のおじさんが「受付はこっちで……」というと若者たちは「4周目なんです!」と元気よく答える。おじさんたちは「今の子たち、10代くらいですかね」「あんな若くてもやっぱり懐かしいんですね」と話していた。

f:id:r_ps22:20240110105416j:image