とりあえず日記

とりあえず日記

生活の記録

12月26日(火)

ローソンの「じゅわバタ塩メロンパン」を買って食べた。おそらく今年いちばんよく買った菓子パンである。外側はサクサクしていて、中身は名前の通りじゅわっとした舌触りのバター生地で、2種類の食感を楽しめるのがいい。しかし今日はさほど満足度が高くなかった。菓子パンが食べたくなるときはたいてい、仕事で疲れ切っていて何かしらのストレスを紛らわしたい時が多かった。これでもかという甘みとカロリーでもって一時的に舌と脳を支配して、現実から逃れようとしていたのだ。仕事を休んでからはそういうストレスにさらされることが少なくなり、前のように菓子パンを欲することが少なくなった。

しかしこの間、穂村弘のエッセイを読み返したことで菓子パン熱に火がついてしまった。穂村さんは無類の菓子パン好きで、ちょくちょくエッセイの中に登場するのだ。そこでは、菓子パンは高尚な食事とはかけ離れた、どこか怠惰な食の象徴として書かれている。そういうちょっと後ろめたさを孕んだ食事を、穂村さんもしている。そう思うとなんだか免罪符を得たような気持ちになり、小腹が空いたときに「じゅわバタ塩メロンパン」が意識にのぼるようになってしまった。

気づけばローソンにいて、ぐるっと菓子パンの棚を形式的に眺めたあと、結局「じゅわバタ塩メロンパン」を手にレジに並んでいるのだ。けれど家に帰ってコーヒーを淹れて皿にあけて食べたところ、最初に書いたようにあまり満足感がなかった。菓子パンというのはもっとこう、やさぐれた気持ちで、圧倒的カロリー摂取でしか紛らわせないようなストレスを振り払うように、一心不乱に食べるものなのだ。硬めの食感を楽しむなら同じローソンのクイニーアマンのほうが…安くお腹を満たしたいならスギ薬局であんぱんを買ったほうが…いっそ自分でパンケーキでも焼いたほうが…などと冷静に考えて始めてしまってはもう駄目だ。そんなことを考える余裕がある状態で食べるなど、菓子パンに失礼というものだ。

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