この日もコーナン。ヤスリやクランプなど、作業に必要で手元になかった道具を購入する。連日のコーナン訪問ですっかりホームセンターおじさんと化してしまった。父が休みによく用事もないのにホームセンターに行っていたことを思い出して、少し気持ちがわかるような気がする。
昼食を食べて作業に取り掛かる。アウトドア用のシートをベランダに敷き、妻が西陣織の工場だかどこかでもらってきた年季の入った木製の箱の上に合板の端材を乗せるとちょうど良い作業台ができた。手元の設計図を見ながら作業を進める。いざ取りかかるとここにネジをねじ込むと板が割れてしまうとか、この板を先に貼り合わせてしまうとここにネジが打ち込めないとかいう発見があり、行きつ戻りつしながらなんとか出来上がった。設計になかった木材を使うことにしたりしたのでまた木材を買い足したりしなければならない。木くずがたくさんでるのでこまめに掃除機で吸いながら作業した。
作業しながら「『作業効率』とはこういうことを言うのだな」という実感を得た。パワーのしょぼい電動ドライバではネジが最後のほうまで締まらず結局最後は人力でねじ込むことになるがインパクトドライバを使えばかなりのスピードで最後までねじ込むことができる。クランプがあればボンドで板を接着している間に手が空くので次の作業の準備をすることができる。一定の作業に必要で適切な道具を用意することによって作業スピードが向上したり時間あたりにできる作業量が増えて結果的に出来上がる成果物の数量が増える。これが「作業効率が高まり生産性が上がる」ということだ。そう考えるとデスクワークにおける「生産性を上げよ」という、責任者が担当者に発する号令はただのお題目なのではという気もしてくる。
